基礎編では、Stata に最初から組み込まれている自動車の情報が含まれた ``auto`` というデータを使って、Stata の使い方とコマンド入力の基礎について一通り学習しましょう。
## 起動しよう
インストールは終了しているものとします。さっそく Stata を起動してみましょう。
基本的で重要なことですが、一般的なソフトウェアと違い、Stata は複数のウィンドウから構成されています。起動してロゴが表示されているのがメインウィンドウになります。

メインウィンドウは複数のウィンドウからなっています。真ん中に大きくあるのが結果を表示する結果ウィンドウ (Result windows) です。上の方に ``Results`` とウィンドウの名前が書いてあります。その下にあるのがコマンドウィンドウ (Command window) です。ここへコマンドを入力します。その左に表示されているのがレビューウィンドウ (Review window) で、コマンドウィンドウに入力した内容は順番にここに記録されていきます。ここでは私が一番最初に入力した ``sysuse auto`` というコマンドが残っています。右側には変数ウィンドウ(Variables window) と、変数の情報を示したウィンドウ (Properties window) があります。変数という用語を初めて聞かれたかもしれません。変数については次の節で詳しくお話しします。
それ以外にも Stata にもウィンドウはいくつかあります。ウィンドウは多いですが、一つのウィンドウに一つの機能を持たせた結果、数が多くなっているだけです。恐れる必要はありませんので、学習していく過程で順番に覚えていきましょう。
Stata に自分が何をしたいか伝える方法は2つあります。一つはメニューをクリックして伝える方法です。一般的なソフトでよくありますね。もう一つは、コマンド(プログラム)を入力する方法です。どちらでも同じ事ができます。
統計ソフトの中にはメニューのクリックだけで簡単に解析を進められるものがあります。クリックは直感的で楽なのですが、本書ではコマンド(プログラム)を入力する方法を推奨します。理由は2つあり、ひとつは統計処理は一部を変更して同じコマンドを繰り返すことが多いこと、もうひとつはヘルプファイルや教科書で紹介されている方法は主にコマンドであるからです。
コマンドといっても全く難しくありません。試しにやってみましょう。メインウィンドウの一番下にコマンドを入力する場所があります。そこに次のコマンドを入力してください。
display 1 + 1
``2`` という文字が表示されたと思います。具体的には次のように表示されたと思います。
. display 1 + 1
2
``display`` のまえに ``.`` があると思いますが、これは「ここからコマンドが始まるよ」という印です。結果の行とコマンドの行を区別するために、Stata では結果の画面内ではコマンドの前に点を表示する決まりになっています。ご自身で入力する必要はありません。
この例を見て分かるとおり、 ``display`` コマンドを使うことで、このように数字を表示したり、計算結果を表示したりできます。
では、さらに ``cls`` コマンドを試してみましょう。
``cls`` と入力して Enter キーを押すと・・・・・・、結果表示画面が綺麗に消えたと思います。
``display`` と ``cls`` を使った練習を通して、コマンドを入力するイメージが掴めたと思います。次からは、実際のデータを使った練習をしてみましょう。