実践編1では、Microsoft Excel(以下 Excel)からデータを読み込んで解析する一連の過程を Doファイル(プログラムを記したファイル)を用いて行います。
さて実践編です。基礎編では Stata に既に組み込まれているデータを用いて解析の練習をしましたが、実践編ではより実践的に進めましょう。実際に解析用のデータを受け取ってから、どのように Stata 内で処理をしていくかという手順を含めて解説をしていきます。
解析に置いて外部からデータを取り込む場合、データは Excelファイルや、CSV形式(コンマで区切られたデータ形式)で提供され、それを Stata に読み込む形になると思います。サンプルファイルを作って取り込んでみましょう。
想定するのは、男女別の身長と体重のデータです。次に示すようなデータをまずは作成してみてください。Excel をお持ちでないかたもおられると思いますので、その場合は本書の[サポートサイト](https://github.com/tack-python/stata)からダウンロードしてください。

そのファイルを test.xlsx という名前で保存しましょう。
保存が完了したら、このデータを取り込みましょう。取り込むコマンドをイチから書いても良いでのすが、少し大変です。おすすめは一旦メニューから実行したあと、Stata が出力したコマンドを再利用する方法です。
次のようにして、[File]>[Import]>[Excel spreadsheet] を選択してください。Windows を使用している方は若干見え方が違うかもしれませんが、ほぼ同じようなメニューになっていると思います。

次のような画面がでてくると思います。

[Browse] ボタンを押して、Excel を保存した場所を選択し、つづけて読み込みたいファイルを選択しましょう。ここでは仮にデスクトップに保存したとします。

四角で囲った [Import first row as variable names] (最初の行を変数名として取り込む)にチェックをいれます。これで最初の行(id や male)が変数名として取り込まれます。
サンプルファイルの列名は全て英語になっていますが、Stata はバージョン 13 以前は英語の列名(変数名)しか扱うことができません。他のバージョンの Stata を持っている人と作業をする可能性を考えると、変数名はなるべく英語にした方が無難です。そのため、本書では英語の列名にしています。
[OK] を押して取り込みましょう。

すでにデータがある場合に、上記のように [Data in memory have changed] (メモリ内のデータが消去されます)という警告がでます。この警告は「先ほどまでにサンプルとして取り込んだ自動車のデータが消えるけど良いですか?」ということで警告してくれています。問題なければ [OK] を押してください。
取り込んだデータを確認しましょう。自動車のところでも表示した データエディタ画面です。メニューから [View]>[Data Editor]>[Browse] を選択します。

そうすると、取り込んだデータが表形式で見られます。

この データエディタウィンドウは、必要なくなれば閉じてしまって構いません。Excel とちがって、Stata ではデータの画面を消してもデータそのものが消える事はありません。メモリ内にデータは保存されており、先ほどの [View]>[Data Editor]>[Browse] を選択することでいつでも再表示することができます。