## 読み手は怠け者だと考える
論文の読み手は怠け者(lazy)だと考えてください。こちらが準備しなければ、読み手は丁寧には読んでくれません。漫画家が視線の流れを設計して読者を引き込むのと同じで、読みやすさは書き手が作るものです。
読み手に「これは何だったか」「この図はおかしい」「ここがずれている」と一度でも思わせたら負けです。違和感を一つもたれただけで評価は下がり、いくつも重なると厳しく書かれます。「なるほど、読みやすい」と思わせ続ける原稿を目指します。
## 略語のトレードオフ
略語はなるべく使いません。スペルアウトがいちばんよく、書き慣れた人ほど、意味のない略語を作らずにスペルアウトします。略語には次のトレードオフがあります。
- メリット: 語数を節約できます(投稿規定の語数制限の中で効きます)。
- デメリット: 略語を定義する文("... (CV)" の部分)で、かえって語数を使います。読み手が略語を覚えながら読む負担もかかります。
## 1回しか出ない略語は定義しない
1回しか出てこない略語は、定義する意味がありません。むしろ定義の分だけ語数を損します。略語を導入する前に「これで何語節約できるか」を必ず数えてください。狭いスペースで何度も繰り返す語(たとえば三尖弁の各弁尖の略号)に限って略語を許容しますが、それでも数を増やしすぎないようにします。
## 本文と図表の略語は別に管理する
本文中で使う略語と、図表の中で使う略語は、別に管理します。図表の下には、その図表で使った略語の説明を必ず書きます。読み手を、図表から本文へ略語を確認しに行かせてはいけません。図表の作り方は [[論文 - 図表をわかりやすく作る]] を参照してください。